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高橋 真*; 藤本 洋介*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 奥山 弘*; 有賀 哲也*
Surface Science, 601(18), p.3809 - 3812, 2007/09
被引用回数:4 パーセンタイル:22.63(Chemistry, Physical)運動エネルギーが0.5eVから1.0eVの超音速分子ビーム技術と放射光を用いた高分解能X線光電子分光法をRu(0001)表面での酸素分子の解離吸着反応の研究に適用した。運動エネルギーの増加とともに吸着確率と飽和吸着量の増加が見られたことは直接的な吸着機構を示唆している。内部エネルギーの効果を確かめるため、分子ビーム源を加熱した場合としない場合で酸素吸着曲線を測定した。ビーム源を1400Kまで加熱した場合には解離吸着が劇的に促進された。超音速分子ビームが断熱膨張するときに回転と並進エネルギーが十分冷却されるのに比較して、振動分布は本質的にほとんど緩和されないことが知られている。そのため、この吸着の増速はおもに分子振動の励起によると結論した。これは解離のエネルギー障壁がポテンシャルエネルギー曲面の出口側にあることを示している。そのような振動エネルギー効果はp(21)構造に対応する0.5モノレイヤーまで酸素であらかじめ酸化したRu(0001)表面でも観察された。
吉越 章隆; 盛谷 浩右; 成廣 英介; 寺岡 有殿
no journal, ,
室温でのOのSi(111)-77表面の初期吸着プロセスを時分割放射光XPSと超音速分子線を組合せることによって調べた。初期吸着確率(S)及び飽和吸着酸素量の入射Oの並進運動エネルギー(0.03から2.3eV)依存性を調べた。初期吸着曲線から見積もられたSの入射エネルギー依存性から、0.03から0.06eVの低運動エネルギーでは前駆的吸着状態を経由したプロセスが支配的であるが、0.06eV以上では直接吸着過程が支配的になることがわかった。0.4から1.7eVの入射エネルギーの領域で、明瞭な飽和吸着量の増加を観測した。1.7eVを越えるエネルギーの条件では、0.03eVの約1.8倍の飽和吸着量の増加であった。入射エネルギーによってガス吸着では不可能なさらなる直接活性化吸着過程の反応チャンネルが室温において開けることを発見した。高分解能O1sXPSスペクトルの解析からinsx2-tri吸着状態に帰属されるサブサーフェイス領域へ酸素解離吸着状態の明白な実験結果を得ることに成功した。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
no journal, ,
本研究では超音速酸素分子ビームを用いてAl(001)表面に室温で極薄酸化膜を形成した。その酸化過程をSPring-8の高輝度・高分解能放射光を用いて光電子分光法で観察し、化学結合状態を解析した。Al単結晶表面の自然酸化膜はアルゴンイオンスパッタで除去した。その表面を510Paの酸素ガス雰囲気に曝して酸化した。酸素の吸着曲線は110molecules/cmの供給量で飽和した。その酸化膜に0.6eVの運動エネルギーの酸素分子ビームを照射したが表面の酸素量に変化はなかった。ところが、1.0eVの酸素分子ビームをさらに照射すると再酸化が認められた。さらに、1.3eV以上の酸素分子ビームを照射しても表面の酸素量に変化はなかった。これらの事実は酸素が飽和したAl(001)表面で新しい吸着サイトを酸素が占めるのに必要なポテンシャルエネルギーバリアは少なくとも0.6eVであることを表している。
馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵*
no journal, ,
固体表面に光,電子,イオンビームなどの量子ビームを照射すると一般に分解・脱離が起こる。しかし高強度のレーザー光やイオンビームを照射した場合は、局所領域において多電子励起が起こるため、これと逆の過程、すなわち新しい化学結合が形成される可能性がある。そこで本研究では窒素,二酸化炭素,メタンなどの低分子量の物質の極低温凝縮系を出発物質として選び、イオンビーム照射により脱離する正負イオン,中性粒子の測定と表面反応生成物の分析を行った。窒素,二酸化炭素,メタンの凝縮層にkeVオーダーのエネルギーのイオンビームを照射すると、質量数1000までの数多くのクラスターイオンが脱離することを見いだした。クラスターの質量分布と照射エネルギー依存性から、クラスターの生成は、照射するイオンの原子核衝突による励起よりも電子的なエネルギー損失による励起によって起こることを明らかにした。また、窒素及びメタンの混合凝縮系にイオンビームを照射し表面化学結合状態の変化をX線光電子分光法で測定した結果、N-C結合の生成を示唆する結果が得られた。これらの実験結果から、高密度電子励起により新規化学結合が形成されるメカニズムを詳細に議論する。